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sage

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  • 東京新聞へのオリジナル原稿 前半

  • 投稿者:積分定数
  • 投稿日:2020年 7月 7日(火)16時27分45秒
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図1
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小学校算数での「掛け算の順序」がしばしば話題になる。「4人に5枚ずつ色紙を配るには何枚必要か?」(実際は小学生対象の文体。以下同様)という算数の問題で、「4×5=20 20枚」と答えるとバツになることがある。「掛け算は1つ分の数×いくつ分の数だから、1人分が5枚で4人分だから5×4が正しい」というのがバツの理由だという。
 しかし、事実として4×5でも5×4でも、正しい答えが出る。4人に1枚ずつ配ると4枚、これを5回繰り返すと考えると、1回分が4枚で5回分だから4×5とも出来る。掛け算を図1のように捉えれば、1つ分といくつ分を区別する意味はなくなり、順序を気にする必要もなくなる。掛け算を教える最初の段階ならともかく、順序を逆にしても同じ値になると分かった後では、順序に拘る意味は全くない。
 私自身は掛け算の順序について、どうこう言われた記憶はないし、気にしたこともなかった。2006年、朝日新聞の投書欄で、4人に5枚ずつ色紙を配る問題で4×5にするとバツになると読んで驚き、それ以来、算数教育について調べるようになった。その結果、掛け算のみならず、算数全般において奇妙な教え方がなされていることが分かってきた。どうも、教員に授業方法を指南する立場の「算数教育の専門家」がそれらを奨励しているのだ。
 図2はネットで公開されいてる論文(※)からの引用である(一部改変)。著者6人のうち3人は算数教科書執筆者、その1人は日本数学教育学会理事でもある。論文によると授業は以下のように進む。教師は「お話に合うのはどの絵かな?」と問いかける。児童らは当初「③と④がお話に合っている」と言うのだが、④の扱いで議論になる。最終的に教師は、セリフと花瓶の有無を根拠に「④はお話に合わない」と結論づける。
 「これは一体、算数の授業なのか?」と疑問に思うのは私だけではないだろう。これは、「合併」と「増加」を区別させる授業である。
 算数教育では足し算で解く文章問題を、「合併(あわせていくつ)」と「増加(ふえるといくつ)」に分類する。
「白猫3匹、黒猫4匹いる。全部で何匹?」なら「合併」、「猫が3匹いるところに、4匹やって来た。何匹になったか?」なら「増加」という具合である
 要するに時間差の有無で分類しているのだが、どちらも足し算で求められるのだから、子どもがこれらを区別する必要はないだろう。また区別しようにも、両者の区別は曖昧であるからなおさらである。皮肉にも、図2の問題が区別の曖昧性を示している。ところが、なぜか分からないが、算数教育の専門家は、子どもがこれらを区別する必要があると考えているようだ。
 【「かけ算の順序」なんてもう古い? 今や時代は「足し算の順序」??】というサイトでは、「増加」と「合併」の区別や、表題通り「足し算の順序」などの事例が集められている。特筆すべきはそららの奇妙な授業を推奨しているのが、大学教育学部の先生などの、算数教育の専門家という点である。

(※)広島大学 学部・附属学校共同研究機構研究紀要<第40号 2012.3> 『算数学習における創造性の育成に関する研究(II) ― 第1学年における「たし算(1)」の学習場面を中心に ―』前田一誠 小山正孝 松浦武人 影山和也 三浦佳葉 宮崎理恵

図2

https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/3/32658/20141016191102570948/AnnEducRes_40_267.pdf