• [0]
  • 「等分除・包含除」「求残・求差」などの概念・用語の起源・歴史

  • 投稿者:積分定数
 
「等分除・包含除」「求残・求差」「増加・合併」などという概念・用語はいつごろ発祥したのか、どのように拡がったのか、どういう経緯でこれらを子供に区別させるなどという馬鹿げた話が出てきたのかを研究するスレッドです。

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sage

  • [10]
  • 明治41年

  • 投稿者:TaKu
  • 投稿日:2020年 6月 6日(土)16時02分29秒
  • 返信
 
https://twitter.com/OokuboTact/status/1269102723984580608

水戸部寅松「除法の初歩教授」『教育研究』明治41年2月号(1908年)
「等分除」「包含除」という言葉が使われているようです。

  • [9]
  • 「等分除法」「包含除法」

  • 投稿者:TaKu
  • 投稿日:2020年 5月22日(金)21時53分28秒
  • 返信
 
https://twitter.com/temmusu_n/status/1263811232085102593

仲本三二『学習中心新主義算術教授精義』東京、中文館書店、1924年。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/938846/55

「等分除法」「包含除法」という言葉が使われています。


  • [8]
  • 「包含の意味」「等分の意味」

  • 投稿者:TaKu
  • 投稿日:2020年 5月19日(火)17時51分28秒
  • 返信
 
https://twitter.com/OokuboTact/status/1107308362578849793

尋常小学算術書之教授. 第2学年2・3学期用
荒井 忠吉, 渡辺 千代吉 大正9年(1920年)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/938814/30

「包含の意味」「等分の意味」という言葉が使われています。


  • [7]
  • 1980年の教師用指導書と水道方式

  • 投稿者:TaKu
  • 投稿日:2020年 5月10日(日)17時29分32秒
  • 返信
 
https://twitter.com/temmusu_n/status/1259361519545929730
小平邦彦、古屋茂監修『新しい算数』第1学年 東京、東京書籍、1980年。
>の 教師用指導書を引用。


「一口に加法というが、加法で解決される事象の現実のあり方はさまざまである。その中でも基本的なパターンとして注目されるのが、いわゆるよせ算(合併)とたし算(増加)である。…初めて学ぶ児童の立場を考慮した場合には、よせ算とたし算を一応区別して、初歩の学習を導く手だてを考えるのが妥当である。」


小平邦彦氏は、数学教育研究会(水道方式系)の顧問に就任(1976年)しています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B0%E5%AD%A6%E6%95%99%E8%82%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BC%9A
ちなみに、銀林浩も顧問に就任(1997年)しています。

  • [6]
  • 遠山啓・銀林浩編

  • 投稿者:TaKu
  • 投稿日:2020年 4月30日(木)22時47分16秒
  • 返信
 
遠山啓・銀林浩編「わかるさんすうの教え方1,2,4,6」むぎ書房 (1976, 1978, 1983, 1990) - yoshitake-hのブログ
https://yoshitake-h.hatenablog.com/entry/20120626/p3

わかるさんすうの教え方1
遠山啓・銀林浩編
むぎ書房 1976年
加法の意味は合併と増加の2つ.減法の意味は求残と求差の2つ.さらに求残には除去と求補がある.

「増加」「合併」「求残」「求差」が明記されています。

  • [5]
  • 「等分除・包含除」「求残・求差」という言葉の明記

  • 投稿者:TaKu
  • 投稿日:2020年 4月30日(木)16時32分37秒
  • 編集済
  • 返信
 
学習指導要領 算数科 数学科 編(試案)
昭和二十二年度(1947年度)
https://www.nier.go.jp/guideline/s22ejm/
第四章 算数科・数学科の指導法
https://www.nier.go.jp/guideline/s22ejm/chap4.htm
 除法は次のような形式の質問に対して行われる計算である。即ち,一つの数が他の一つの数を何回含んでいるか,“一つの数を幾つかずつに分けたとき,その分けられた各部分は幾らか”の二つの形式である。
> 第一の場合は,二つの群が与えられたとき,その一方が他一方と同等な群を幾つ含むかを計算するためのものである。これを包含除という。第二の場合は,一つの群を与えられた幾つかの同等な群に分解するためのものである。これを等分除という。いずれの場合でも,一つの群をいくつかの同等な群に再構成するのである。


「包含除」「等分除」という言葉が使用されています。

ちなみに、この頃は「増加」「合併」という概念は無さそうで、「求残」「求差」は関連しそうな事が記載されています。
 加法は“全部でいくつになるか”“全体はいくらか”という形の質問に対して行われるものである。即ち,一群のものがある時それに他の群を添加する場合か,あるいは二群の物が同時に存在するときに,その二群の物を一つの群にまとめる場合に用いられる計算である。

2020年05月10日追記
この記述は「増加」「合併」という概念を表していると指摘があり、私もそれに同意します。

 減法は一つの数を持つていて,その一部分を知っているとき,他の部分を知る場合に用いられる計算であるといえる。実際指導においては,“幾つ残っているか”“幾つなくなっているか”“その差はいくつか”“もう幾つ必要か”の四つの質問の形式によって表わされる。しかし,いずれにしても,引算は一つの群が考えられたとき,その一部分がわかっていて,他の部分を一つの群にまとめる場合に,その群を数で表わすことであるといえる。



dan4423のブログ : 遠山啓、『数学の学び方・教え方』、1972、岩波新書 青版 822
http://blog.livedoor.jp/dan4423/archives/5511886.html
2.4 求残と求差

遠山啓氏の1972年の本に、「求残」「求差」が載っています。
「増加」「合併」は はしがき には載っていません。

  • [4]
  • Re: 「等分除・包含除」の初出を探る

  • 投稿者:積分定数
  • 投稿日:2016年 2月17日(水)14時51分52秒
  • 返信
 
>>3
> 私は和算の一次史料が読めないので、100%の断言はできませんが、等分除、包含除は名数の概念と関係が深く、名数は洋算由来であることから、包含、等分も輸入品と考えています。あと、銀林浩が原語はドイツ語だと言っていたそうですhttp://ameblo.jp/metameta7/entry-12112305067.html


ドイツの等分除・包含除に関してはここにも記述がありますね。筆者は数教協のようで、両者を区別して教えることはいいこと、と根拠もなく断言しています。
http://mitizane.ll.chiba-u.jp/metadb/up/AN00179512/KJ00004298929.pdf

  • [3]
  • Re: 「等分除・包含除」の初出を探る

  • 投稿者:てんむ砂小屋
  • 投稿日:2016年 2月15日(月)22時24分23秒
  • 返信
 
>>2

> 私は数学の歴史には詳しくないのですが、和算ではどうだったのでしょうかね?
> 和算からの発展なのか、洋算からの輸入なのかも気になるところ。

私は和算の一次史料が読めないので、100%の断言はできませんが、等分除、包含除は名数の概念と関係が深く、名数は洋算由来であることから、包含、等分も輸入品と考えています。あと、銀林浩が原語はドイツ語だと言っていたそうですhttp://ameblo.jp/metameta7/entry-12112305067.html

初出の調べはまだ済んでいないので、逐次ツイターで報告します。

  • [2]
  • Re: 「等分除・包含除」の初出を探る

  • 投稿者:積分定数
  • 投稿日:2016年 2月15日(月)21時04分45秒
  • 返信
 
>>1

どうもありがとうございます。よく調べましたね。

私は数学の歴史には詳しくないのですが、和算ではどうだったのでしょうかね?
和算からの発展なのか、洋算からの輸入なのかも気になるところ。

  • [1]
  • 「等分除・包含除」の初出を探る

  • 投稿者:てんむ砂小屋
  • 投稿日:2016年 2月14日(日)17時55分19秒
  • 返信
 
明治期の算術教科書では、等分除・包含除という概念は、用語にかなり先行して現れます。例えば攻玉社の教員が書いた教科書が、【実の数を法の数に従ひて若干に等分すと解する者】と【実の数の中に法の数を包含すること幾許なるかを発見すと解する者】の二つに分類(田中矢徳 著『高等算術教科書. 巻1』攻玉社 1891年http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/826657/26
)。田中は1884年の別の教科書では、全く異なる三つの【除法の意義】を記述していますhttp://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/826828/29


等分・包含という概念が「等分除」「包含除」という用語を産み出すまでの経緯はまだ良く分からないことがあります。一応、

[1] 1918年(大正7年)教授法研究会 編『修正尋常小学算術新教授書. 第1学年 教師用』明治出版協会
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/938797/82
[2] 1919年(大正8年) 広島高等師範学校附属小学校 編 『尋常小学各教科教授細目』「算数科第二学年」目黒書店
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/938207/50
[3] 1920年(大正9年)荒井忠吉, 渡辺千代吉 著『尋常小学算術書之教授. 第1学年2・3学期用』同文館
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/938813/82

のように、大正中期の教師用指導書で二つの用語が出そろいます。[2, 3]は高等師範学校関係者による文書です(荒井と渡辺は東京女子高等師範学校の教員)。後者に1916-7年頃、尋常小学算術書が修正されたことが見える(p. 17)。教科書の方針変更を反映して新しい用語が教授細目に導入されたのかも知れない。教授細目はメタメタさんに教えてもらったがhttps://twitter.com/metameta007/status/698554575125483520、1891年から各学校が作成することを義務付けられた書類です。内容は、現代の教師用指導書の朱註、研究編、カリキュラムの範囲にわたっていると思いました。作成の負担は、高師や師範以外の学校には大きすぎ、いろいろ弊害があったのではないかとも思います。

一例として、

[4] 1914年(大正3年)西川三五郎『立憲的教育施設の実際』以文館
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/980200/165

に、「教授法研究会の乱発」という一節があります。

本題に戻ります。教授法研究会という団体は全く系統不明です。広島高師を中心とする広島県の教育関係者が同名の団体を結成していますが、あまりにも一般名詞的な固有名詞で、同一団体かどうか分かりません。[1]には執筆者の個人名は記載なし。

事態を複雑にするのは、下記p.92のように、

[5] 1910年(明治43年)教育実際社 編『尋常小学各科教授細目. 第2学年』宝文館
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/810445/55

割算を【等分除】と【累減除】に分ける流儀もあること。この教育実際社は出版会社でもあるらしいが、教授法研究会と同じく、今となっては良く分からない団体です。

更に同じ団体が同年に出した別の本では、下記p.578のように、

[6] 1910年(明治43年)教育実際社 編『新国定教科書各科教授細項 : 細目適用. 後編』 宝文館
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/810423/303

除法の意義として【等分と包含】を挙げています。教育実際社はあと一歩で「包含除」という用語に到達し損ねたようにみえます。上述の[1, 5, 6]は、自力で教授細目を作成するコストをまかなえない学校向けだったのではないでしょうか。

とりえあえず、「等分除・包含除」なる用語の起源は、20世紀最初期までは絞ることができましたが、教授細目というジャンルが新たな用語を提案したという予想は間違っていたようです。


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