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  • 数学的概念に関する認知発達心理学

  • 投稿者:くろきげん
 
ここはヒトの子どもが数や図形のような数学的概念に関する認知能力を
どのように発達させて行くかに関する情報を集めるためのスレッドです。

掛順こだわり教育に対する批判に対する反論によく登場するのが
「子どもの発達段階に応じて」という決まり切ったフレーズ。
http://8254.teacup.com/kakezannojunjo/bbs/t2/873

この決まり切ったフレーズの背景と現状について調べることがこのスレッドの目的です。

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  • [33]
  • 数学の必然性と恣意的分類

  • 投稿者:積分定数
  • 投稿日:2012年10月22日(月)07時42分38秒
  • 返信
 
ジョルダン標準形あたりまでは理解できました。その先も何とか理解できそうな気配がします。

>積分定数さんは、自分の書いた図に名前が付いていて、
しかも、その名前が登場する日本語による数学の論説だけでも
膨大な量になることも知らなかったはず。

全く知りませんでした。しかし、行き着けるかどうかはともかく、数学は行き着くべき所に行くものなんだな、と再認識しました。対称式のことを考えていたら必然的にこうなった。先人の努力とは独立に自分自身で行き着くことが理論上は可能(実際に行き着けるかどうかはともかく)というのが数学の大きな魅力だと思います。

 足し算や引き算の分類、求差だとか求残だとか、そういうのは自分の頭で考えても出てくるとは限らない。少なくとも私はそういう発想はなかった。引き算は引き算でしかない。

 子どもたちに、「文章題がどのタイプの引き算にあてはまるのか」と問う人は、

ある文章題が求残か求差か求補か、ということが、ある自然数が偶数か奇数か、というのと同等の、客観的に固定されているものだと認識しているのだろうか?

  • [32]
  • Re: こうも見えるし、ああも見える

  • 投稿者:くろきげん
  • 投稿日:2012年10月20日(土)17時07分4秒
  • 編集済
  • 返信
 
10月21日:数学の話を追記した。

>>31
>
> ○○○○
> ○○○○○○○○○○○○
> ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

38の分割をこのような図で表わせるわけですよね。
このような図を Young diagram (ヤング図形)と呼びます。
ヤンズ図形を第何象限に描くかについては様々な流儀があって、
たぶんすべての流儀が使われている。

ヤンズ図形は表現論(ぼくの専門の一つ)と組合せ論に関係した数学(かなり広い)によく登場します。

たとえば、n×nのベキ零行列(固有値がすべて0の行列)のジョルダン標準形は
n の分割(すなわち重さ n のヤング図形)と一対一に対応しています。
(重さ n のヤング図形は上で引用した図の○が n 個のヤング図形のこと)

たとえば、無限個の変数 p_1,p_2,p_3,... から生成される多項式環における
次数を deg p_i = i で定めるとき、次数 n の単項式 (係数部分は無視) と
重さ n のヤング図形は自然に一対一に対応しています。すなわち、

  p_1^{a_1} p_2^{a_2} …

と 1 が a_1 個、2 が a_2 個、…を意味するヤング図形が対応する。
p_1,p_2,p_3,... の単項式達は p_1,p_2,p_3,... から生成される多項式環の基底になっているので、
p_1,p_2,p_3,... から生成される多項式環をヤング図形全体を基底に持つベクトル空間
とみなすことができます。こういう話は実は対称多項式の理論ともろに関係しています。
(p_i = x_1^i + x_2^i + … とみなすことが多い。有限個の x_i を除いて x_i=0 と
なる場合には有限和になり、p_i は power sum と呼ばれる対称多項式になります。
x+y と x^2+y^2 の多項式で x,y の任意の対称多項式を表わせるという話を
一般化すれば自然に power sum を考えることになります。
x+y と xy の多項式で x,y の任意の対称多項式を表わせるという話を
一般化すれば基本対称式を自然に考えることになる。)

上の無限変数の多項式環の話は弦理論や共形場理論に
登場する Heisenberg 代数の表現論の話そのものだと思うこともできて、
ぼくが大学院に入る直前直後に勉強した話でもあります。Boson-Fermion対応やら、
ソリトン方程式を解く話(ソリトンの佐藤理論の表現論的再定式化)やら、
非常に多くの話と関係しています。大学1年で習う行列と行列式の理論にちょっと
毛が生えた程度のことをやるだけで、ソリトン方程式と呼ばれるタイプの
多くの非線形偏微分方程式の解を簡単に作ることができるのだ。
もちろん弦理論にも基本的な応用がある。

こういう話も含めて全部「分割数」「ヤング図形」に関係がある数学です。

Google Scholar で「ヤング図形」を検索
http://scholar.google.co.jp/scholar?q=%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%9B%B3%E5%BD%A2

積分定数さんにぼくは「ようこそ、いらっしゃいませ」と言いたくなりました。

積分定数さんは、自分の書いた図に名前が付いていて、
しかも、その名前が登場する日本語による数学の論説だけでも
膨大な量になることも知らなかったはず。

認知発達心理学の話とまったく関係ないのですが、
こういう方向の話題にはどうしても興奮してしまうので、お許しを!


  • [31]
  • こうも見えるし、ああも見える

  • 投稿者:積分定数
  • 投稿日:2012年10月20日(土)08時45分18秒
  • 編集済
  • 返信
 
p+q+r=n (p、q、rは非負整数 p≦q≦r)となるp,q,rの組の個数
p+2q+3r=nとなる非負整数p,q,rの組の個数

ついでだから、これが同じになることを説明しておく。

p+q+r=n p≦q≦r に対して、
a=p b=q-p c=r-q とすると、
3a+2b+c=nとなる。

逆にa、b、cからp、q、rを求めることが出来て、結局p、q、rとa,b,cの組が1対1対応になる。

行列を使ったりすると、これがもう少しかっこよくかけることになると思う。


これは視覚的には以下のようなこと。

4+12+22=38

○○○○
○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○


○○○○
○○○○   ○○○○○○○○
○○○○   ○○○○○○○○   ○○○○○○○○○○
3×4        2×8         1×10

3×4+2×8+1×10=38


「かけ算の意味は大切だ。順序はどうでもいいなどと言っている人は、答えさえでればいいと言う考えであり、そういう人はやがて行き詰まる」という人に問いたい。

 かけ算の意味に拘ることで上記のような発想が湧いて来るようになるのか?

 「こうも見えるし、ああも見える」という方がずっとその後の学習に有効だと思うのだが・・・

  • [30]
  • Re: 出題と解法のパッターン分類は、数学をわからなくする近道

  • 投稿者:積分定数
  • 投稿日:2012年10月20日(土)08時23分3秒
  • 返信
 
>>29

> おお、分割数の話を見付けたわけですね!
>
> 一般に自然数 n に対して、
>
>   a_1 + a_2 + … + a_k = n,  0<a_1≦a_2≦…≦a_k, 1≦k≦n
>
> を満たす整数の組 (k,a_1,a_2,...,a_k) たちの個数を n の分割数と呼び、
> p(n) と書く習慣になっています。積分定数さんは実質的に分割数の母函数

「整数の組」は、「1以上の自然数」、あるいは、k=nと固定して、「非負整数」ですよね?
負数も有りだと無限個ある。

 そうか、分割数って、自然数を和で表現したときにの方法は何通りか、ただし順序の入れ替えによるものは一通りと数える、ということで昔聞いたことがあるが、p≦q≦rと制約つけるのだから同じ事ですね。くろきさんのコメントで気づいた。

 対称式に関しても、高校時代は経験的にxとyの対称式はx+yとxyの組み合わせで表せることは知っていたが、一般的にそうであるというのは、代数学の本で証明を見た記憶がある。そのときは何をしているのか全体像がわからなくて、部分部分を追っていただけだった。他人が完成した足場を取り払った建造物を眺めても、どうやって作ったのかはわからない。

 自分であらためて取り組むことで、対称式の話と分割数がつながっているらしいことがわかった。

 大学時代は焦っていたけど、今のように時間の制約もなくのんびり取り組む方が、得る物が多い気がする。この経験は教えることにも役立つ。目の前の目標(宿題、受験など)へ向けて最短距離を走るのは実は遠回り。なんだけど、そのことがなかなか理解されないのが悩みの種。



>   f(q) = Σ_{n=0}^∞ p(n) q^n
>
> を綺麗に無限積表示する方法を見付けたことになっています。
> (収束半径は 1 で、|q|<1 で絶対収束する。)
>
> 分割数の母函数はほぼ Dedekind のη函数分の1に等しく、特別な性質を持っています。
> すなわち η(τ) = q^{1/24}/f(q),  q = e^{2πiτ} (Im τ > 0) とおくと、
>
>   η(-1/τ) = √(-iτ)η(τ).

そういう世界につながっているのですか!?

ちょっと考えてみます。いや、かたぎに戻れなくなりそうだからやめた方がいいのだろうか?


>
> 数学の世界はほんのちょっと足を踏み出した瞬間に
> アナザーワールドに繋がる穴ぼこに落ち込まざるを得ない世界になっています。
> 結構怖いです。
>

これはやっていると痛感します。やっているうちに別のことがでてきて、それを調べ始めたら面白くて、・・・・、という具合。

「理学部の学生が宗教にはまるケースがあるが、数学科の学生はそうはならない。既にはまっているから」という話を聞いたことがある。

恐ろしい世界だ。

PS 工学部や理学部の生物や化学などを志望する生徒には素直に「頑張って」と思うのだが、数学科志望の生徒に対しては、正直、そういう世界に引き込んでいいのかどうか悩む。幸か不幸か、これまで数学科志望という生徒はいなかったが、進路を悩んでいる生徒が私を見て「数学科も考えている」と言ったときは、複雑な心境だった。
 ちなみに地学系志望というのも、天文学を目指していた1人だけ。高校では地学が軽視される傾向にあるようだ。

  • [29]
  • Re: 出題と解法のパッターン分類は、数学をわからなくする近道

  • 投稿者:くろきげん
  • 投稿日:2012年10月19日(金)21時49分26秒
  • 返信
 
>>28

> やっていくうちに、
>
> p+q+r=n (p、q、rは非負整数 p≦q≦r)となるp,q,rの組の個数
> p+2q+3r=nとなる非負整数p,q,rの組の個数
>
> 両者が同じになることがわかった。p、q、r、sなどと増えても同様。
> 当初の意図とは全く違う定理を発見したことになる。

おお、分割数の話を見付けたわけですね!

一般に自然数 n に対して、

  a_1 + a_2 + … + a_k = n,  0<a_1≦a_2≦…≦a_k, 1≦k≦n

を満たす整数の組 (k,a_1,a_2,...,a_k) たちの個数を n の分割数と呼び、
p(n) と書く習慣になっています。積分定数さんは実質的に分割数の母函数

  f(q) = Σ_{n=0}^∞ p(n) q^n

を綺麗に無限積表示する方法を見付けたことになっています。
(収束半径は 1 で、|q|<1 で絶対収束する。)

分割数の母函数はほぼ Dedekind のη函数分の1に等しく、特別な性質を持っています。
すなわち η(τ) = q^{1/24}/f(q),  q = e^{2πiτ} (Im τ > 0) とおくと、

  η(-1/τ) = √(-iτ)η(τ).

数学の世界はほんのちょっと足を踏み出した瞬間に
アナザーワールドに繋がる穴ぼこに落ち込まざるを得ない世界になっています。
結構怖いです。


  • [28]
  • Re: 出題と解法のパッターン分類は、数学をわからなくする近道

  • 投稿者:積分定数
  • 投稿日:2012年10月19日(金)15時10分5秒
  • 返信
 
>>26

> そして、経験を十分に積んでいない人が、
> 試行錯誤で正しい答を見付ける作業を繰り返しているうちに、
> 本質を少しずつ理解していって、
> より効率的な考え方に移行できるようになることも多い。
> ただし時間がかなりかかるので、あせらないことが結構重要かも。

y=x^2+ax+b のa、bに好きな数を入れてグラフを描いて頂点を求めよ
沢山のa、bの組について頂点を求めて、最終的には頂点の座標をa、bの式で表せ

 これを生徒にやってもらうと、最初は丁寧に沢山点を打ってグラフを描くけどそのうち手抜きの方法を覚えて、1次の係数の半分にマイナスつけた値の周辺だと気づきますね。

 最初から頂点のx座標は-a/2などとやっても、覚えられないし、2次の項が1でない場合にはまたあたらな公式を覚える羽目になる。

 試行錯誤して考える、という癖がついていれば、また同じようにグラフを描いて頂点を探せばいい。何度かやっているうちに、短時間で出来るようになり、実質的に公式を覚えるのと同じ事になる。


> 最終的に「自分がどれだけ馬鹿であったか」に気付くとものすごく興奮する!
> (実はこれ、数学研究の典型的なパターンの一つ。)
> ヒトは真に興奮感動したことであれば一生忘れないものだと思う。
>
> いきなり効率的な方法を教わって、それだけしかやっていない人よりも、
> 周辺の様子を詳しく眺めてから目的地に到達した人では、
> 後者の方が「よくわかっている」状態になっていることは少なくないと思う。

3変数の対称式がx+y+z、xy+yz+zx、xyz の組み合わせで表現できるって、どうするんだっけ?

とさっきまで考えていた自分がまさにそうでした。

やっていくうちに、

p+q+r=n (p、q、rは非負整数 p≦q≦r)となるp,q,rの組の個数
p+2q+3r=nとなる非負整数p,q,rの組の個数

両者が同じになることがわかった。p、q、r、sなどと増えても同様。当初の意図とは全く違う定理を発見したことになる。

迷子になることで、珍しい花を見つけたりするようなもの。


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