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  • 田中氏の主張 5

  • 投稿者:鰹節猫吉
  • 投稿日:2012年10月16日(火)23時28分58秒
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「田中博史の算数授業のつくり方」 (つづき)

□ イメージができるのに、抽象化できないという子どもへの対応

参加者 I : 結びつけるようにと話をされていましたが、絵が描ける子であっても、線分図やテープ図と結びつけられない子がいると思うのですが、どうしてでしょうか。

 素晴らしい質問ですね。絵に描くことができても、今度はなかなか図にならない。その抽象化のステップの問題ですよね。先ほどの絵の抽象化のステップの次が、今度は図の抽象化ですね。そこにテープ図という位置づけができます。
 図というものは2通りありまして、1つは、人間が物事を考えるために描くもの。もう1つは、考え終わった人が説明のために描く図です。
 教科書などの図は、ほとんどが説明のための図です。つまり、よく中身がわかっている大人が子どもに考えさせるときに、説明するために使っている図なので、きれいに整理されています。あのきれいに整理された図を最初から子どもが描けるは ずがありません。
 だから最初は、例えば「りんごがこれだけあって、後からみかんをもらって」という、こういう図でいいわけです。
 りんごが8個で、みかんが20個だとしても、大きさのバランスはどうでもいいのです。とりあえず、こういう図と、きれいに描かれているこの図が同じなんだということの理解が、子どもにはできないわけです。これをまず結び付けてあげない といけません。
 そこで、これも私が開発した3・4年生のドリルに載っているのですが、今度は左側に絵があって、右側にテープ図がある。つまり、具体的な絵と抽象的な図を結ばせるというのをやります。
 その次のステップは、こちらを文章にして、こちらをテープ図にして、結ばせることもやります。3番目のステップとしては、テープ図を見て、分を考えるという練習をさせます。
 高学年で、表から問題文をつくる活動は講座Ⅲでやる予定ですので、そのときに紹介しましょう。
 『さんすう忍者』(文溪堂)という子ども向けの本があります。この低学年版に、絵が段々に図になっていくステップを、マンガでずっと解説しているものがあります。これも同じです。書かせるのではなくて、最初は「選ばせる」ということを やっています。最初から書かせると時間もかかりイメージがわからないので、ともかく選ばせます。選ばせる活動をしていくと、だんだんそのイメージが一致していきます。こういう場合にはこういう図を書けばいいんだな、と子どもが学びます。
 そのうち今度は、例えば、提示したものの中に正解がないものも与えます。「さあ、この文章題に合うテープ図を探しましょう」とやったとします。子どもたちは、どうもこの中には正解がないなと気づきます。そして、正解はなんだろうと聞い て書かせれば、それはテープ図を書く時間になります。
 しかしこの場合も、手がかりは必要です。何もないのに書けません。テープ図の見本の典型的なものが選択肢の中にあるわけですから、子どもたちは提示されているものを手がかりにして考えます。これらをもとにして、自分が一致するような図 を見つける時間になります。当然、テープ図の書き方自体を教えるという時間も必要になります。
 第1段階は、正解があるもので結ばせる。第2段階は正解がないときにそれを補うという授業を行います。これで図が書けるという頭脳になっていくのではないかと考えます。


> りんごが8個で、みかんが20個だとしても、大きさのバランスはどうでもいいのです。とりあえず、こういう図と、きれいに描かれているこの図が同じなんだということの理解が、子どもにはできないわけです。これをまず結び付けてあげないといけません。

 5×4 でも 4×5 でも、かけ算の順序はどうでもいいのです。とりあえず、順序が逆であっても、4人乗っている船が5艘あると解釈できるということの理解が、算数教育業界の大人たちにはできないわけです。これをまず結びつけてあげないといけません。