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(無題)

 投稿者:てん  投稿日:2012年 7月24日(火)23時13分6秒 170.net220148228.t-com.ne.jp
返信・引用 編集済
  今では、この若者とツバメは、すっかり仲良しです。夜明け間近に起床して、牛舎の掃除を始めます。いつも、その肩にツバメが乗っています。その後、搾乳を始めるのですが、一頭一頭に優しく話しかける若者の顔は、とても慈愛に満ちたものでした。数人の仲間と仕事を進めていくのですが、みんな真面目で、今度の牧草の種まきの時期を早めた方が良いとか、あるいは遅くした方が良いとか、真剣に議論したりしています。そこには身分差もなく、対等な立場で毎日の仕事に向き合っているようです。一度、一頭の牛が、放牧中にいなくなるという事件があったのですが、ツバメが四方八方飛び回って、探し当てるという活躍を見せて、その時の牛飼いの連中の喜んだこと、喜んだこと。普段褒められた事のないツバメは、顔を真っ赤にして、そのお手柄を祝福されたのであります。

「彦星、そろそろだな」
牛飼いの一人が話しかけます。
「うん、毎年悪いな。この忙しい時期に。」
肩に乗ったツバメは、注意深く会話に耳を澄ませます。
「彦星、下界からのファンレターだ。今年も頑張って下さいだって」
別の牛飼いが、ダンボール一杯の短冊を運んできました。

彦星とツバメはいつものように一緒にお風呂に入ります。一日の労苦を癒すのは、ここ天界でも、下界でも同じようです。湯船につかりながら、短冊に目をとおします。
「背が伸びますようにだって。僕にお願いしてどうするんだ。お願いするなら、天帝様の方だろう。」
つばめは、おそらく一通の短冊も届かず、憤慨している天帝を思い出しました。
「下界の連中は、本当にのん気だなぁ。どうか7月7日晴れますようにだって。こっちは晴れると、再会の様子が下界からは、まる見えで恥ずかしいんだよ。」
ツバメも一緒になって笑いました。
「君だけには言うけどね、」彦星は髪を洗いながらつぶやきます。

「僕は、織姫と会うのにもう飽きちゃっているんだ」
ツバメは驚いて、足を滑らせ、湯船の中に落ちてしまいました。
「そんなに驚くことはないだろう。不謹慎かもしれないがー」
湯船に落ちたツバメを抱え上げながら、
「不謹慎かもしれないが、下界の人達と違って、たとえ制限付きでも、永遠に会おうと思えば会えるんだから」
ツバメは、朦朧とした頭でそれを聞いていました。
「恋なんて、言わば勘違いの極致だろう。ここでは誰もそんなものに興味はない。仕事はみんなの役に立つけれど、恋なんて、みんなに迷惑かけるか、見世物のどっちかだろう?」なおも続けます。
「下界の連中の方がよっぽど不可解だ。どうして死ぬのが分かってて、一生懸命になれるのかな?」つづく
 
 

(無題)

 投稿者:まう  投稿日:2012年 7月23日(月)00時19分39秒 3d721dfc.tcat.ne.jp
返信・引用
  「死ぬということは明日が来ないということなんだ」

若者は話を続けました。

「もう明日が来ないんだ」

若者はまた繰り返しました。

「・・・」

つばめはじっと聞いていました。

「それは会いたい誰かに会えなくなる、ということなんだ」

若者はまたつぶやきました。



そして若者も遠くを見たまま何も話さなくなりました。
つばめは若者の方に首を動かしてみました。
若者はどこか遠くをみているようでした。

(明日が来なくなる・・・)

つばめは頭の中でその言葉をくりかえしました。

(会いたい誰かにあえなくなる・・・)

つばめはまたくりかえしました。


目の前にはただ草むらが広がっていました。
風がただ通り過ぎていきました。
何かを押して、もちあげて、風は吹いていくのでした。

牛たちが気持ちよさそうに顔をあげ、目を細めました。
風はその横を通り過ぎていくのでした。

風が吹いたあとは、草たちは少しだけ形を変えたり、向きを変えたりするのでした。

つばめの疲れた身体の羽毛の間にも風はとおりすぎてゆき、羽をふくらませ、少しだけ乱し、そしてまたどこかへ行ってしまうのでした。



(明日が来なくなる・・・)

(会いたい誰かに会えなくなる・・・)


つばめはまたひとり頭の中でくりかえしました。


(間違い・・・?)







 

(無題)

 投稿者:てん  投稿日:2012年 7月13日(金)23時11分19秒 250.net220148225.t-com.ne.jp
返信・引用
  まず私達が考慮しなければならないのが、この天界という、想像をはるかに超える風景の美しさであります。同時に、時間軸が下界とは全く異なっているということであります。まう女史はその2つを表現してくれたのだと解釈して、先を進めることにいたします。

しばらくして、桃の花が一面に咲き乱れる林が、ツバメからは見えました。その香ばしさ、美しさ、花びらや花粉の舞い落ちる様に心を魅かれたツバメは、その源を探ろうとしてさらに桃の花の中を通り、ついに水源に行き当たりました。そこは山になっており、わずかに通り抜けられるだけの穴がありました。奥から光が見えたので、その穴の中に入っていきました。

穴を抜けると、驚いたことに山の反対側は広い平野になっていました。そこは立ち並ぶ農家も田畑も池も、桑畑もみな立派で美しいところで、行き交う人々は、みんな人と同じような衣服を着て、みな微笑みを絶やさず働いているのでした。

この場所にたどりつくまでに、どれだけの時間を費やしたのでしょう。それは一日だったのかもしれないし、100年だったのかもしれません。行く先表示が列車の中からは見えないように、ツバメも自分自身でここまでどうやって来たのか分からないのでした。ただ、天涯孤独のツバメにとって、天帝以外の他者と接するのは初めてのことなのでした。

「や、かささぎか」
誰かが言いました。
「いや、これはツバメだよ。新しい鳥だ」
他の誰かが言いました。ツバメは、よろよろと村人の群れに倒れこんでしまいました。

目が覚めると、見渡す限りの大きな草原で、たくさんの牛が楽しそうに戯れています。そして、一番近くのすぐ隣に、若い男があぐらをかいて座っています。ずっと牛の方を見ながら、
「やあ、気がついたか」
とても静かな声でした。ツバメは胸がいっぱいになって話すことができません。
もう周りに村人はいません。
「何だ、鴛か」
と、残念そうにつぶやいて、大きく伸びをしました。
「どうだい、ここは素晴らしいところだろう?あれが天の川だよ」
指差した遥か彼方に星屑みたいな光が見えました。相手が話せないと分かると、この若者は、なぜか饒舌になっていきました。
「ああ、どうして僕は、あんな間違いを犯したのかなぁ。魔がさすということなんだろうか。天帝様の怒りにふれるなんて、天界広しとはいえ、僕ぐらいなもんだろうな」
それについて、ツバメは慌てて口を挟もうとするも、声が出ません。
思い出したように、なおも若者は続けます。
「なぁ、知っているかい?下界では、死というものがあるらしいぜ。時間に限りがあるんだ。」
それについては、ツバメは知らなかったので、ちょうど良かったと思いました。

つづく
 

(無題)

 投稿者:まう  投稿日:2012年 7月 8日(日)23時28分27秒 3d721dfc.tcat.ne.jp
返信・引用
  つばめはぐんぐん飛びます。
彦星はまずどこに住んでいるんだろう、と思いました。

つばめにとっての毎日は天帝との業務をこなすことだけで過ぎていくものでした。
「それだけで結構いっぱいっぱいになるんだよなあ」
つばめはつぶやきました。


「何で自分は彦星のところに行こうなんて思ったんだろうか」

つばめは天涯孤独でした。
ずっとひとりで生きてきましたし、そういうものだと思っていました。

青一色の周囲の中に、すうっと伸びた雲の枝にふわりと降りると、つばめは身づくろいをしながら考えました。

つばめはじっとしていました。

目の前の青の世界をただ眺めました。ただ眺めました。

目の前の青がうっすらと白くなっていきます。
その空気はやがて光を帯びだし、やがて黄色になりました。

つばめは少しだけ目をほそめました。


黄色の世界はまた色を変えていきました。

淡い橙色になり、そして濃いオレンジ色になっていきました。
真っ赤な空気がつばめを包み、つばめの首の白い部分を赤く染めました。


つばめはじっとしていました。

真っ赤な空気は鮮やかに一瞬大きく光り輝き、そしてその瞬間、その空気は色あせ始め、やがて、ふわりふわりと群青の空気がどこからともなくやってくるのでした。


つばめの胸は薄い青に染まり、目の前にはまたもとの青一色の世界になるのでした。




それはいつもの風景でした。
くりかえしくりかえし、日々にその光景は存在しました。


つばめはいつもひとりでそれを見ました。




「・・・なぜ自分は彦星に会いに行きたいと思ったんだろう」

つばめはまたふと思うのでした。





 

七夕 その一

 投稿者:てん  投稿日:2012年 7月 5日(木)12時31分41秒 62.net220148231.t-com.ne.jp
返信・引用
  天帝なんてものは、慣れてきたら、案外退屈なものであります。

天帝は、面倒くさそうに、下界を見下ろしながら、プカリプカリとタバコをふかしております。
タバコの煙は、やがて雲になり、灰は落ちた所で、霧となって下界を包み込みます。そんな特権も最近はばかばかしくなってきていました。
「最近の人間どもは、けしからん!」
天界の頂点まで登り詰めた男の孤独なんて言えば、聞こえは良いが、そういった人に限って世間の評判に敏感であり、それゆえますます孤独になっていくものであります。
「どうなさいました?」側近のツバメが応えます。天帝に仕えて3代目。
「七夕のことだよ。最近じゃ織姫と彦星は、悲劇のカップルということになっているらしいじゃないか。おかげでワシは二人の恋路を邪魔するクソジジイだ。まぁ、別に構わんけど」
また始まったと思いながらもツバメが、「下界からの支持率が心配ですな」と余計な相槌をつくものだから、天帝はますますむきになる。
「そんな事は気にしとらん!歴史の解釈が変わっていくのは世の常というもの。ただ、織姫がワシの一人娘であるということ、彦星を婿に選んだのもワシであること、こういう事実までも忘れ去られている事は、けしからんと思わんか!」
「織姫様と彦星が結婚していることも知られていないようですなぁ。嘆かわしい」
調子を合わせるツバメも、当時の経緯は、先代のかささぎの時代の事であり、よく知らないので、
「で、どうして天帝は、二人を切り離したんで?」とまた余計な事を言った。
「ばかもん!七夕をウィキペディアで調べておけ!」
ツバメはいつもこうして怒られてばかりいます。

ツバメが調べたところによると、織姫と彦星の夫婦は、現在、天の川を境に別々に暮らしている。新婚当初、二人はあまりに仲が良すぎて遊んでばかりいて、周りの人々に相当迷惑をかけたのだ。それに怒った天帝の処置だったわけだが、当時はその身内にも厳しい判断が下界の人々からも大きな支持を受けて、拍手喝采であったらしい。当時の天帝の得意顔が目に浮かぶ。いや、もしかしたら、当時の天帝は、今と違って、理想に燃えていたのかもしれない。もう何千年も前のことだもの。機織と牛飼いの仕事をおろそかにした二人は確かに悪い。しかし、今や、天帝の言うとおり、一年に一度だけ会えるというロマンチックな救済処置だけが、七夕の拠り所となっている。

 ツバメは、現在の織姫と彦星に興味を持ちました。その顔は珍しく真剣です。まずは現在の彦星の元へ行ってみよう。まだ牛飼い続けているんだろうか。そもそも一年に一度会えるか、会えないかの関係なんて成立しているのだろうか。ツバメは思い切って飛び立ちました。
(つづく)
 

はじめに

 投稿者:てん  投稿日:2012年 7月 5日(木)12時23分50秒 62.net220148231.t-com.ne.jp
返信・引用
  季節にあわせて、七夕を題材にすることにしました。
意外と、一般に知られていない物語があり、パロディとしてもアリかなと。
どうか好きなように、自由に続けてみて下さいね。
 

スタートです

 投稿者:てん  投稿日:2012年 6月29日(金)21時51分17秒 189.net220148238.t-com.ne.jp
返信・引用
  ここに、文章を投稿していって下さいね。
他の人に見られる心配もないですし、気楽にいきましょう。
目的は、良い作品を作るなんてことじゃなくて、お互いのことを分かりあえるきっかけになれば良いと思ってます。もちろん雑談とかでも良いんだけど、まぁおつきあい下さい!
 

テスト

 投稿者:てん  投稿日:2012年 6月27日(水)21時55分16秒 144.net220148227.t-com.ne.jp
返信・引用
  テスト  

掲示板が完成しましたキラキラ

 投稿者:teacup.運営  投稿日:2012年 6月27日(水)21時45分58秒 144.net220148227.t-com.ne.jp
返信・引用
  ご利用ありがとうございます。

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